■ 第1回BunDokuシネマカフェ

 

お 題:映画「毛皮のヴィーナス」を観て

日 時:2014年12月21日(日)18:30~20:30
会 場:カモシカ書店(大分市中央町)
参加者:26名

 

ファシリテーターのシミズです。

今回は、念願だったシネマカフェを、シネマ5さんとカモシカ書店さん、そしてBunDokuのコラボ企画としてついに開催することができました。
寒風の中、師走のお忙しい中、26名の参加者の方々にお集まりいただきまして、たいへんありがとうございました。

今回のお題はロマン・ポランスキー監督による「毛皮のヴィーナス」でした。

「サディズムのSはサーヴィスのS!」
まずは皆さんに感想を聞くところから始めました。これが予想外に白熱し、主演女優のワンダの動機への問いかけから、ワンダは神だとする説、原作への言及、終幕の疑問点、毛皮の象徴的意味、脱がすのではなく着せていくエロス、民俗学的アプローチ、精神分析学、ルネッサンスからの絵画史、フランスの階級社会、SMとは何か等々、みなさんそれぞれ専門的な立場からヴァラエティに富んだお話が聞け、主催側の想定以上に1本の映画からここまで引き出せるのかと驚きました。
休憩を挟んで提供されたカモシカ書店の特製ディナーも、今回の映画に合わせて「縛る、叩く、煮る、焼くといったサディズム的料理!」となり、みなさん驚きとともに、美味しくいただきました。

「映画と演劇の最大の違いは劇場そのものが写るかどうか」
後半は、映画の技術的側面や映画論、映画史からのアプローチをして閉幕となりました。
その後も興奮冷めやらず多くの方に残っていただき、二次会も盛況となりました。

私としては、今回のシネマカフェを通して多くの方が映画館へと足を運び、映画のおもしろさを発見し、また行きたいと言ってくれたことに大きな手応えを感じました。

ご参加いただいた皆さん、どうもありがとうございました。

BunDokuシネマカフェは今後も開催していきます。映画を対話の媒介としつつも、あえて定型をもたず、いろんなスタイルにチャレンジしていきたいと考えています。

どうぞ今後ともよろしくお願いします。


■ 参考

 

> 第1回BunDokuシネマカフェの中で紹介・参照された映画

・「フェリーニの8 1/2」(1963年イタリア)監督フェデリコ・フェリーニ
・「地獄の黙示録」(1972年アメリカ)監督フランシス・F・コッポラ
・「赤い航路」(1992年フランス・イギリス)監督ロマン・ポランスキー
・「水の中のナイフ」(1962年ポーランド)監督ロマン・ポランスキー
・「めまい」(1958年アメリカ)監督アルフレッド・ヒッチコック
・「駅馬車」(1939年アメリカ)監督ジョン・フォード

> おまけ

 

ファシリテーター志水 「私の人生を変えた映画10」

 

1「台風クラブ」(1985年日本)相米慎二
2「麦秋」(1951年日本)小津安二郎 
3「インランド・エンパイア」(2006年アメリカ)デヴィッド・リンチ
4「鏡」(1975年ソ連)アンドレイ・タルコフスキー
5「狩人」(1977年ギリシア)テオ・アンゲロプロス
6「こわれゆく女」(1974年アメリカ)ジョン・カサヴェテス
7「リトアニアへの旅の追憶」(1972年アメリカ)ジョナス・メカス
8「キングス&クイーン」(2004年フランス)アルノー・デプレシャン
9「エル・スール」(1983年スペイン)ビクトル・エリセ 
10「その男、凶暴につき」(1989年日本)北野武
10「気まぐれな唇」(2002年韓国)ホン・サンス