■ 第33回BunDoku哲学カフェ

 

テーマ:「老いとはなにか」

日 時:2017年03月25日(土)19:30~21:30

会 場:ホルトホール(大分市)

参加者:18名

 

ファシリテーターのミキです。第33回BunDoku哲学カフェのテーマは「老いとはなにか」でした。初参加の方を6名も迎え、いつにも増してフレッシュな空気で「老い」と向き合った2時間でした。対話の一部をご紹介いたします。

 

===対話前・老いのイメージ===

 

〈死が近づいていることを実感させる現象〉、〈人生へのなじみ〉、〈今までの生き方への答えが出てくる〉、〈心がフレッシュじゃなくなる〉、〈諦めること〉、〈下り坂の下り方を学ぶとき〉、〈ほかのものが入ってこない満ちた状態〉などが語られました。多くのメンバーが老いについて肯定的、否定的な両側面を同時に認めながらの発言でした。

 

===対話===

 

なぜ老いることを怖いと思う人がいるのかという問いには〈死への恐怖〉、〈若い方が与えてもらえる。失うこと、愛されなくなることが怖いのでは〉など。〈老いることと年を取ることとは必ずしもイコールではない〉、年を取れば〈世界との関係が濃密になっていく〉。

 

女性は年齢を経ると性的な魅力が衰える、パートナーとして選ばれにくくなるといった世間の目に対して〈年を取ることを怖いと思う社会は何か変な気がする〉、〈年を取るのは悪いことだと決めつけてしまう文化・歴史的背景があるのでは〉など、他者との関係、社会的な文脈でも老いが語られました。

 

===対話を経て===

 

〈荷物を減らせると人生を軽やかに生きられるようになるのでは〉、〈自分次第なところもあるのかな、こういう風に年を重ねたいというのを見つけたい〉、〈精神的な老いをどう避けていくか〉、〈自然なこととしてうけいれたい〉、〈怖いことではない。未熟な文化に合わせなくていい。自分の価値は不変〉などが語られました。

 

老いについて語るうちに、他者との関係における自らの位置や重みについてそれぞれがじっくり考える時間であったように思います。1つのテーマから、思ってもみなかった方向に対話が旅をするところが哲学カフェの魅力でもあるなと感じました。

 

参加者のみなさま、運営スタッフのみなさまに感謝いたします。大変お疲れさまでした!

 

哲学カフェは今後も月1回のペースで開催いたします。話すテーマや会場選び、進行方法など趣向を凝らして実りある対話に繋げていきたいと考えています。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。