■ 第5回BunDokuシネマカフェ


お 題:「団地」を観て
日 時:2016年7月31日(日)20:00~21:30
会 場:カモシカ書店(大分市中央町)
参加者:23名

 

ファシリテーターの志水です。第5回目のBunDokuシネマカフェを開催いたしました。約1年ぶりの開催でしたが、初参加者合わせて23名の方々にお集まりいただき、たいへん盛り上がった会となりました。

今回のお題は坂本順治監督の「団地」。
最初に参加者みなさんの感想をお聞きしましたところ、まさかこう来たか、舞台っぽい構成、身体を超えた愛についての映画である、スピルバーグとの共振、まばたきしない斎藤工、息子を失った夫婦ふたりで身を粉にしてつくる漢方のシーンが丁寧に映し出されるのは「喪の作業」そのものだから、なぜ最後団地に戻ったのか分からない、寝なかったので面白かったなどなど様々感想が聞かれました。
映画に様々な矛盾があることの指摘があがると、今や団地そのものがリアリティを欠いた場所であり、さまざまな矛盾が内包できる場所だから、ここで大きな嘘を堂々とつくろうとしたのではという見方が出ました。へその緒を忘れるところでは、息子への愛がないのではという意見もありましたが、喪の作業を終えた二人にとっては、もはや息子と再会することは以前ほどには重要ではなくなったのかなと後から僕は思いました。

同じ1本の映画でもこうも様々な見方できるのだと、シネマカフェにはいつも驚かされます。参加されたみなさま、運営スタッフのみなさま、お疲れさまでした。楽しい会となりました。ありがとうございました。

■ 参考


「団地妻 昼下がりの情事」(1971年公開)監督:西村昭五郎
「遠雷」(1981年公開)監督:根岸吉太郎
「家族ゲーム」(1983年公開)監督:森田芳光
「童夢」(1983年の漫画)作:大友克洋
「みなさん、さようなら」(2013年公開)監督:中村義洋
「64」(2016年公開)監督:瀬々敬久