■「BunDoku哲学カフェ×Kids」開催報告

 

テーマ:「野良猫とどう生きるか」

日 時:2016年6月5日(日)14:30~16:30

会 場:ホルトホール(大分市)
参加者:11名

 

案内人のミキです。今回はフリースクール『ハートフルウェーブ』さまとBunDoku哲学カフェのコラボ企画!ということで、ハートフルウェーブに通う中学~高校生のお子さん3名、大人8名の計11名で哲学カフェを開催しました。
テーマは「野良猫とどう生きるか」。ハートフルウェーブで野良猫を一時お世話した時期があったとのこと、参加されたお子さんたちにとっても身近な話題だったようです。
当初は〈鳥と同じような距離感〉、〈距離を置いた関係〉、〈つかず離れず〉、〈無責任には拾わない方がいい〉など野良猫との一定の距離を大切にした意見、〈なつくと膝に乗ってきてかわいい〉、〈自然界に生きるものとして共存していきたい〉など積極的に関係性を模索する意見などが挙がりました。

 

〈かわいいのが事を複雑にしている、カラスやゴキブリだったらこんなに話題にならない〉、〈人間も他の動物にとっては単なる一動物〉、〈何がどうなるのかわからないのが野生、これが正解というものはない〉など対話はさまざまな展開を見せながら進みました。

“なぜ野良猫に寛容な地域とそうでない地域があるのか”という問いから〈共同体が持つ度量〉に話が及び〈人間同士が親しみの持てる地域であれば、弱い立場にある人や物に対して寛容になれる。結果、野良猫にも寛容になるのではないか〉、〈住民同士のつながりや精神的余裕が重要なのかも〉という奥深いテーマのドアを叩いたところで時間となりました。

 

最後の締めくくりでは〈しかし猫はかわいい。これが実は問題の根底にあるのかも〉、〈野良猫学ができそう。倫理とも絡んでくるテーマ〉、〈“野良”の裾野の広さを感じた〉と、野良猫(と人間の関係)にますます魅了?されたメンバーも。また、〈猫が集まる場所は人にとっても優しい場所なのかも。ついポストに入れていた回覧板を、直接お隣さんに渡してみようかな〉、〈野良猫を見る人間の受け取り方が問題になっていると思った。初めて深めに考えられたのかな〉、〈(野良猫という存在を)人間が作ったものである以上、人間の中で終わらせたい〉、〈野良猫と人間は昔から仲良くしていたのだから、これからも仲良くしていきたい〉、〈あたたかい心をもって生きていたら捨て猫への態度が変わるはず、楽しみ〉などこれからの「ぼく・私」が野良猫や地域とどう歩んでゆきたいかも語られました。


私としては、野良猫をきっかけに対話がさまざまな旅を経て人間同士のあり方へと戻ってきたところが面白く、また参加してくれた子どもたちがその展開を自然に受け容れ、自分事として考えている様子がどこか頼もしいような、あたたかい気持ちになりました。
命の重さや責任と向き合うやや重ためなテーマではありましたが、休憩時間にはフリースクールで拾った子猫の動画を見て盛り上がる(大人たちを一瞬にしてメロメロにしてしまう子猫の魅力は圧倒的!)など、終始和気あいあいとした雰囲気の中で進みました。

 

初ファシリテーションに緊張した私を見守り和やかな場を作ってくださった皆様、そして初めて出会う大人たちに勇気を持って自分の言葉でお話してくださったハートフルウェーブの皆様のご協力に、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました!