■ 出張BunDoku「BunDoku Kids」@ハートフルウェーブ vol.6

日 時:2016年4月29日(金・祝)14:00~16:00
会 場:フリースクール「ハートフルウェーブ」さま
参加者:5名

案内人のAkihisaです。
今回は、市内のフリースクール「ハートフルウェーブ」さまにて、子どもたち向けの出張BunDokuを開催させていただきました!

普段のBunDokuは、参加者ひとりひとりがオススメの本を持ち寄って紹介する「本のプレゼン会」のようなスタイルですが、こちらの出張BunDoku ではハートフルウェーブさまのご希望もあり、課題本を一冊読み込み、学びをシェアするスタイルで行なっています。まさに「読書会」らしい読書会ですね。
今回の課題本は、前回までに引続き「君たちはどう生きるか」(吉野源三郎;岩波文庫)。今回は第六章と第七章を読んで対話を行ないました。

第六章「雪の日の出来事」は、学校での上級生との諍いが話の中心になります。第五章でコペル君たちが「殴られるときは一緒に殴られる」とした約束を、コペル君だけが果たせずに終わります。参加者からは、

・勇気を出してやらなきゃいけないことができない、言わなきゃいけないことが言えない、そういうことって確かにある
・私も、もし自分がこの場面でコペル君だったら、出ていけないかな
・約束したなら迷わず出ようよ

など、まずはコペル君の行為に対するそれぞれの感想が聞かれました。
私も、状況は違えど、「すべきだったのにできなかった」経験は数えきれないほどあり、「顔からスーッと血の気が引いてゆくのを感じた、あのときの気持!誰か見ていた者はなかったかと、横眼でソッとあたりをうかがった自分の様子!」といった辺りは、とても身に覚えのある描写でした。そして、その渦中にはすべてを悪いほうに捉えてしまい、友人たちから自分が見捨てられてしまったように感じてしまうあの絶望感も。

第六章ではおじさんのノートがないので、引続き第七章に進みました。
第七章「石段の思い出 ~人間の悩みと、過ちと、偉大さとについて~」では、第六章に続くコペル君の後悔と、そんなコペル君とのおじさんとお母さんのやり取りが交わされます。おじさんのノートまで読んだうえでの参加者の感想としては、

・おじさんはいつも正論を述べる
・「…北見君たちは、機嫌を直してくれるかしら」「それは、わからないさ」というおじさんの返答を読んで、自分の気持ちはどうであれ、相手の気持ちは相手のもの、ということを思い出した
・お母さんの、優しい、やんわりとした伝え方が素敵
・半月も学校休んでて誰もお見舞いに来ないんだ
・「人間は考える葦である」とはパスカルだったか
・こんなことばかり書かれたノートを受け取ったらちょっと鬱陶しいと思うかもしれない

などの感想が聞かれました。

い、意外と皆さんドライに分析されますね。笑


ともあれ、この章はコペル君の身の上に起こった出来事が非常に身近で、身につまされる思いでおじさんとお母さんの言葉を噛みしめていました。

お集まりいただいた皆さん、楽しい時間をありがとうございました。


昨年の12月から始まったこの「BunDoku Kids!」も、ひとまず課題図書が次回までで読み終わります。約半年に渡り、非常に濃厚で楽しい時間を過ごすことができました。
来月を一応の最終回として、その後どう展開していくかはまだ未定ですが、引続き何らかの形でKids企画を続けていけたら良いなぁと思っています。

どうぞ今後とも、BunDokuをよろしくお願いいたします!

(大分朝読書コミュニティBunDoku 主宰 堀米 顕久)

 

 

■ 課題本

 

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

 

(タイトルはAmazonにリンクしています)