■ 第16回BunDoku哲学カフェ開催報告

 

テーマ:「さびしさについて」
日 時:2015年10月17日(土)19:00~21:30

会 場:カモシカ書店さん(大分市中央町)
参加者:19名

 

BunDoku哲学カフェ、ファシリテーターのシミズです。第16回目のBunDoku哲学カフェを開催しました。今回は初参加者合わせて19名の参加者の方々にお集まりいただき、たいへんありがとうございました。


今回のテーマは「さびしさについて」です。
初めに各々考えるところのさびしさを問いました。喪失感、依存、期待の抜け殻、希望の後ろ姿、枯れた枝、終わりに向かっていること、大勢の中の孤独、死、分かりあえなさ、人を求める心、共同体の崩壊、帰る場所がないこと、週末に予定がないこと、生の寄る辺無さが不意に発露してしまうこと、埋められないもの、つながりがなくなること、おいてけぼり、なにかと触れてない状態、相手と通じないことなど、おおよそ世間一般にもある〈ネガティブ〉なイメージが聞かれました。そのなかで「さびしさは暖かい」という言葉が出ました。その思う対象が好きだからこそ、それが離れていってしまうことで「さびしさ」を感じるのだから、さびしさは暖かいものだと。他にも震災時に、自分がその場にいれないことに(当事者でないことに)さびしさを感じ、その時に日本人としての帰属意識に気付いたというのもあり、「さびしさ」というものが一様ではない、複雑な有り様があぶり出されていったように思います。

 

最後に参加者全員にもう一度「さびしさ」について聞いたところ、さびしさを味わう、さびしさが好き、さびしさがその人を造形する、心の栄養、現実的に還元していくなど、受け身的にさびしさから振り回されて生きるのではなく、積極的にさびしさと共にあろうとするような考え方に動いていったように思いました。


帰属意識や拠り所、孤独とさびしさの違い、SNSと孤独など、また別にテーマを設けて対話したいと思われる要素もたくさん出た会となりました。(二次会で出た話ですが、自分は今さびしいんだと言える人はモテるそうです。)


参加されたみなさま、運営スタッフのみなさま、カモシカ書店のみなさま、お疲れさまでした。楽しい会となりました。ありがとうございました。

BunDoku哲学カフェは今後も月1回のペースで開催いたします。話すテーマや会場選び、進行方法など趣向を凝らして実りある対話に繋げていきたいと考えています。どうぞ今後ともよろしくお願いします。

 

 

〈参考〉


『寂しさの力』(新潮新書)中森明夫
『孤独な散歩者の夢想』(岩波文庫)ルソー
中島みゆき「ローリング」→ 歌詞