第81回 BunDoku<課題本読書会>開催報告

 

日 時:2017年10月28日(土)19:00~20:30

会 場:ホルトホール(大分市)

参加者:13名

課題本:『テロ』(東京創元社)

 

案内人のNです。「特別企画!BunDoku課題本読書会」を開催しました!初企画の課題本読書会、しかも台風の影響で強い雨が降る悪天候にもかかわらず、13名もの方々にお集まりいただきました。

 

司会をチカさん、ファシリテーターを私、Nが務めました。そして、助っ人のエトジュンくんが盛り上げ役を引き受けてくれました。お二人ともありがとうございました!

 

今回、課題本に選ばれたのは、フェルディナント・フォン・シーラッハの『テロ』でした。

 

(あらすじ)2013年7月26日、ドイツ上空で旅客機がハイジャックされた。テロリストがサッカースタジアムに旅客機を墜落させ、7万人の観客を殺害しようと目論んだのだ。しかし緊急発進した空軍少佐が独断で旅客機を撃墜する。乗客164人を殺して7万人を救った彼は英雄か?犯罪者か?

 

昨年の忘年会のビブリオバトルでチャンプ本になったということで、BunDoku初の課題本読書会にふさわしい本だったと思います。

 

ただ、内容は「人の命の重さとは?多数を救うために少数の犠牲は許されるのか?」という問題作。運営チームのあいだでも、うまくいくかどうか、みなさんに受け入れてもらえるかどうか不安はありました。しかし、それも杞憂に終わり、様々な意見が飛び交う白熱した会になりました!

 

こちらからの「登場人物のうち誰の立場に立って読んだか」という問いには、色々な答えが寄せられました。私は被告人の立場に立って読みましたが、他の方は「裁判官」「参審員」(※)「ドイツ人」「被害者家族」「日本人」など様々でした。

 

また、立憲主義とは何か?人が人を裁くことはできるのか?という根本的な問いや、最近の国際情勢をはじめ日本の戦後民主主義など、話題は多岐に渡りました。参加者それぞれの発言が興味深い内容で、じっくりお聞きしたかったのですが、ファシリテーターとして切らざるを得なかったのが残念です!

 

ちなみに、参加者には本書で描かれた2つの結末「有罪」「無罪」を選んでもらいましたが、有罪10人、無罪3人で、有罪が圧倒的に多い結果となりました。有罪以外はありえないという方や、無罪を選んでも理由は違っていたり、それぞれの考え方を聞かせていただきました。

 

そうして、有罪か無罪かという二元論ではない、もっと深く複雑なテーマをみなさんと考えることが出来たと思います。ありがとうございました!

 

今回のような課題本読書会、また機会があれば開催したいと思います。ご意見、ご感想など、いつでもメールにてお知らせください。

 

それでは、お集まりいただいたみなさん、ありがとうございました!またの参加をお待ちしております。

 

※参審員……一般市民から選ばれた人が裁判官とともに裁判を行う制度であり、犯罪事実の認定や量刑の決定の他、法律問題の判断も行う。